注文住宅の標準キッチンの大きさと狭小住宅の現実
モデルハウスに行くと、一番に目が行ってしまうのはやはりキッチン。
大きくて豪華なキッチンは主婦の憧れですよね。でもそれは、広いリビングが確保できてこそ。
狭小住宅のキッチン選びは現実を見据えることが大切ですね。
キッチン選びは楽しいけれど、現実は厳しい
ハウスメーカーの標準のキッチンは幅2550mmでした。
一方、今まで使っていたマンションのキッチンはというと2250mm。30センチも大きいものが提案されていました。
でもこれ、注文住宅のキッチンとしては一般的な大きさで特に大きい訳ではないそう。
普段キッチンに立つことの無い主人も、大きいキッチンが良いんじゃないかと言ってくれたこともあって悩んだのですが...。
スペース的にキッチンを独立させるのは無理なので、壁付けキッチンにしてリビングを広々使いたいと考えると、バランス的にキッチンが目立つのもどうかと...。
今までよりも小さなキッチンになってしまうのは嫌ですが、これまで特に小さくて不便を感じたことは無いのでこれまでどおりの大きさで2550mmにしてもらいました。
ショールームのキッチンは、どれも標準2550mmかそれ以上のものばかりで、2250mmの実物は見ることが出来ませんでした。
きっと、実際に見ていたら見劣りしちゃって決意が揺らいでいたかもしてないと思うので翻って良かったです(笑)。
壁付けキッチン、L字キッチン
購入したマンションに居住中の時も、転勤中の賃貸住まいの時も、ずっとカウンターキッチンだったので壁付けキッチンに少なからず不安もありましたが、広く空間を使うには壁付け一択。
リビングからキッチンの全体がオープンになってしまうのもちょっと抵抗があったので、せめて正面を避けてL字にするのはどうかなと相談してみました。
しかし、設計の方によるとL字は思いのほかスペースをとるので「空間を広く使いたいという理由ならばお勧めしない」とのこと。L字の角の部分がデッドスペースになってしまうこともデメリットなのだそう。
この建替えを機に、食器棚を辞めて食器類は全てキッチン収納に収める計画なのでキッチン収納が減ってしまうのは本意ではありません。
まっすぐ壁付けでお願いすることにしました。
キッチンの色選び:シンク・キッチンボード
キッチンの色を選ぶ時にも、リビングとの調和を優先して、なるべく「The水回り」にならないよう、家具っぽく見えるものを探しました。
さんざん迷った末、扉の色は白木の木目調でつや消しタイプの「アルベロホワイト」に決定。家具類と同じような木目の茶色も良いかなと思ったのですが、壁の色に近い方がより目立たないかなと...。
シンクがステンレスなのもいかにも「水回り」な感じになるので、人工代理石に。
セラールの質感:光沢vsつや消し
キッチンの正面に貼るキッチンボードのセラール。
タイル調などテレビドラマで見かけるような可愛いものも沢山あって、ついついカラフルな可愛いものを選びたくなってしまいますが、ここはぐっと我慢して、やはりあまり目立たない、リビングの壁やキッチンの入り口扉に調和するものを探しました。
セラールの質感は、ツヤツヤと光沢のあるものが殆どですがよく探すとつや消しの「梨地」というものもありました。触った感じは「ザラザラ」まで荒くはなくて、擦っても「キュキュッ」という感じでは無い、という程度。
水回り感を抑えるには、つや消しタイプが良いのですが、キッチンの水濡れや油汚れをきちんと拭き取れるのか心配です。
お醤油&ゴマ油で比較実験
そこで、事前に許可を得てハウスメーカーから貰ったサンプルで汚れの拭き取り実験を行ないました。
先ずは、サンプルにお醤油を垂らして、きれいに拭き取れるかを実験。次にゴマ油を垂らしてティッシュで拭き取ってみました。
なんと、以外なことに「ツヤツヤ」よりも「梨地」のほうが拭き取った跡が残りにくいことが判明!これには驚き!いわゆる「拭き跡」が残らなくて良い!しかも汚れ落ちも抜群でした。
これにより、セラールは無地の「梨地」に決定。色はキッチン両脇は一続きの壁面にあるキッチン入口の引戸の色に合わせて白に、キッチン正面は調理台・シンクと同様に真っ白よりもちょっとベージュがかったものに決めました。
注文住宅ならではの細かいこだわり
注文住宅で良かった事は、セラールを貼る範囲を自由に決められること。
マンションではどこでもキッチンボードはキッチンの奥行き幅に合わせて貼られていて、キッチンボードの貼られていない部分の壁紙が汚れてしまうのが悩みでした。そこで、キッチンの横の壁いっぱいに延長してセラールを貼ってもらうことにしました。
下の写真のスイッチボードのある壁が、壁紙、その左側がセラールです。壁紙とセラールの境目に印を付けてみました。
ここの壁紙部分が凄く汚れるのが、とても嫌。しかも壁紙なのでセラールと違って汚れが落ちにくい。
他にもマンション購入時には指定できなかったキッチンの吊り戸棚の高さも、相談してみたら変更可能ということでしたので、調理台から80センチの高さに下げて付けてもらうことになりました。
理由は、食器棚を辞めるかわりに、吊り戸棚に普段の食器を収納するためです。
ハンドルを引っ張ると目の高さまで下げられるキッチンも販売されていますが、出来るだけ単純な造りが好みな事と予算の都合で断念。
転勤中のマンションでは、吊り戸棚の位置が高すぎて普段使うものは入れられなかったのが不満でした。高さを下げて貰えればぐっと使い勝手が上がります。
頭をぶつけないかと設計の方に心配されましたが、長年暮らした分譲マンションのキッチンと同じ高さなので使い慣れています。
逆に転勤中に住んでいたマンションの吊り戸棚は、高過ぎて何も入れず仕舞。
その役立たなさに辟易していました。
住んでみて感じたこと
オープンなキッチンは換気扇がうるさい
壁付けキッチンの一番のデメリットは、換気扇がうるさいこと。これは想定外でした。
テレビの音は、調理が始まるとリビングでテレビを見ている人はボリュームを上げないと聞こえません。まして調理している私には全く聞こえません。
調理しながらテレビを見るために住宅エコポイントでスピーカーを選びました(笑)。
つや消しタイプのキッチンは手垢が目立たなくて大正解
つや消しタイプのキッチン扉は、全く手垢が目立ちません。
これは大正解!光沢タイプはその場では気にならなくても見る角度によって頻繁に触る箇所には白く手垢が残ってしまいます。
リビングから丸見えのキッチンなのでこれが気にならないのはすごく嬉しいです。
扉の色みも、白で大正解でした。全く圧迫感がありません。
調理中のストレスが減った
キッチンの横幅を標準のものより30センチも狭くしましたが、壁付けのオープンキッチンは食卓テーブルにものを運んだり、食卓テーブルで調理したりするのにとても便利です。
調理スペースを返って広く使えるようになって全くのストレス無しです。
リビングとの仕切りのためにキッチンの前にキッチンカウンターを置いたので、調理中の材料を置いたり、コンロでお湯を湧かしてキッチンカウンターでお茶を入れるなどもスムーズです。
キッチンカウンターの向こう側は、ソファの背をくっつけて置いているので、ソファでくつろぎ中の家族にカウンター越しにコーヒーを手渡したり、会話もスムーズに出来ます。
セラールの範囲をもっと広げれば良かった
後悔を挙げるとすれば、セラールをもっと広範囲に貼ってもらえばよかったということです。
キッチンの方端に耐震構造上必要な壁が丁度キッチンの奥行き分あり、その壁の向こう側に冷蔵庫を設置しています。
キッチン側の壁には一面セラールを貼ってもらいましたが、冷蔵庫側も貼って貰えば良かったと思っています。
冷蔵庫側の壁紙の汚れ方が気になっています。