リフォームか建替えか決めるのは後回し

リフォームか建替えかを決断するまで。フルリフォームの限界は? 

我が家の場合、結果的に建替えを決断したものの、はじめは「リフォーム」にするか「建替え」にするかも決まっていませんでした。

経済的なこともありますし、リフォームで済むならばできればお金を掛けずに問題を解決したい。

ここでは建替えを決断するまでのお話をお伝えします。

建替えにかかる費用は本体工事以外に600万円?!

建替える際には、解体費用が必要になることは分かっていましたが、家づくりには本体工事以外にもいろいろと費用がかかります。

よくCMなどで見かける○○円で家が建つ金額は、本体工事だけの値段で、その金額で家づくりが出来るわけではありませんでした。

これは住宅展示場まわりを始めてから営業さんのか話を聞くうちに知った事実...。

<建替え費用>
本体工事
・登記費用
・給排水工事
・外構工事
・解体工事
・確認申請費用
・設計料
本体工事以外の費用は、大目に見積もってざっと600万円ほどとか。

この他に地面を掘り起こしたときに「ガラ」が出るとその処理費用、土壌改良が必要な場合にはその費用、しかもこれらについては着手してみないとどのくらいの費用がかかるのかは不明なのだそう。

「ガラ」は現在の家を建てた当初に土地に埋められたコンクリートや石などのことで、築40年だと埋まっている確立はほぼ100%に近いんだとか。

本体工事以外の費用は不確定なので大目に覚悟しておいて、余ったらそのぶんの資金で設備をグレードアップするとかすると良いそうです。

フルリフォームで節約できる費用

リフォームで済ますとすると、登記費用、給排水工事、外構工事などが節約できることになります。

もちろん地盤を掘り起こすこともないのでガラが出てくることも無いし土壌改良費用の心配も無し。

解体費用も部分的になるから少し節約になるでしょうし、住みながらの工事が可能なら引越し費用2回分が節約できます。

工事中、仮住まい費用の心配も無くなります。

リフォームが大規模になってたとえ仮住まいが必要になったとしても、少なくとも600万前後の節約になることは間違いなさそう。

リフォームで出来ること出来ないこと

どちらにするか決定するに当たっては、まず、今回の建替えの目的を考えてみました。

①耐震基準を満たした家にしたい
②3階の高さを確保したい(水害の場合に避難できる場所の確保)

実家は築40年で、現在の耐震基準を満たしていません。
震度5弱だった東日本大震災ではなんとか持ち堪えたものの、トイレやベランダの扉の建て付けが悪くなってしまっていて、とても安心して介護できる家ではありません。では、リフォームだけで耐震化出来るのか?

耐震化はリフォームでも可能

実家のような古家を震化するには、壁に筋交いを入れたり、柱を金具で補強することになるそう。また、瓦屋根の家はその重さが耐震性を下げてしまうんだとか。

壁、柱、屋根の工事をするなら、ついでに断熱もしっかりさせて2世帯でも住みやすいように間取りの変更も可能なのだそう。

3階建てはリフォームでは難しい

3階建ては、2階建て迄には必要のない「構造計算」が必要となるそうです。

そもそも構造が違うためリフォームでまかなうことは無理なのだそう。

これは私達が話を聞いた工務店、ハウスメーカー全てで同じ答えでした。

でも、例えば屋根裏部屋のようなかたちで3階の高さに部屋を設けるとか、屋根を屋上にして避難できる高さを確保するとかでもまあ目的は果たせるわけですが...

しかし、6畳ほどの増築だとしても最低限の費用として1000万ほどかかる可能性があるうえ、せっかく屋根裏部屋を増築しても、普段は荷物置き場のように使うしかなさそう。

にもかかわらず、固定資産税の算出の際に「床面積」として計算に算入されてしまうとすれば、固定資産税がどれだけ上がるのかにもよりますが、長い目で見た場合にはお得とは言えなさそうです。

「あと何年住みたいのか」で考えてみたら...。

鉄筋なのか木造なのかにより異なりますが、どちらにしても家には寿命があります。

実家のような古家の場合は「あと何年住みたいか」で考えるのが良いみたい。

フルリフォームで新築のように生まれ変わらせることもできますが、その場合にはやはりそれなりのお金がかかうえ、せっかくリフォームしても土台が古いままなので頻繁に修繕が必要になってしまう可能性もあるそう。

建替えたくても出来ない「再建築不可」の土地でない限りは、お金をかけた大規模リフォームより、結果的には建替えの方がお得ですよとのことでした。

居住中のマンションの老朽化を考える

あと何年住みたいかを考える際には、現在住んでいるマンションについても考えてみました。
母の介護の期間だけ持ちこたえられれば良いのなら、フルリフォームでも良さそうですし...。

新築で購入したマンションは、築23年。大規模修繕を2度終えましたが、その先の修繕のために今後5年間は修繕積立金が毎年増額されることになっています。

それに加えて管理費、駐車場代の支払いがあり、住宅ローンを完済しても尚、毎月4万円以上の費用がかかり続けます。

マンションも老朽化していくことを考えれば、少なくともあと40年安心して住み続けられるのかどうかも不安です。

そして、その後は?子どもたちに資産として残せるのか?いわゆる「負動産」になってしまわないか?私達夫婦も若くないので、定年後収入が無くなってからの修繕や再建替えは資金的に難しいです。

せっかくお金をかけるなら、子どもたちのことも考えて長く住める家にしたい。マンションの売却すれば建替えも可能です。

現在の建築技術で建てた場合で70年持てば、わたしたち夫婦が死ぬまで住むことも、子どもたちに残すこともできます。今から長く住める家づくりを始めるほうが安全かも。
こうして我が家は建替えに向けて動きだしたのです。

展示場を回りながら建替えを決意

記事の順序として、すごく初期の段階で建替えることを決めたように見えるかもしれませんが、実際には「展示場めぐり」を始めてから、いろいろなハウスメーカーのモデルハウスで、沢山の営業さんの意見を聞きながら決断しました。

リフォームで安く条件を満たせるならば、母の資金で賄って最低限安心して介護のできる環境を作ってもらいたかったのですが、いろいろなプロの方のお話を聞いているうち、最低限の条件である耐震と3階相当の高さの避難場所を確保できる家へ建替える決意が固まったのです。

建替えに関する助成金などにも背中を押され

ハウスメーカーさんに教えてもらった建替え助成金の存在も建替えへの決断に向けて大きく影響しました。

現在の建築基準法の耐震基準に満たない住宅(昭和56年以前に建築されたもの)の建替えには、助成金が出る自治体が多いみたいです。

以下は東京都の「耐震ポータルサイト」です。申請しないと受けられないので先ずは該当するかを確認してみてください。

QooQ